免震データ“改ざん” あの名所にも 全国986件 影響拡大

10/17 17:40
免震装置の検査データが、改ざんされていた問題。
影響は、観光名所にも広がっている。

震度5強を想定した実験映像。
実験用の建物には、「オイルダンパー」が設置され、地震の揺れを軽減している。

建物と命を守るために設置されるこのオイルダンパーで、あってはならないデータ改ざんが発覚した。

16日、KYB・中島康輔会長兼社長は、「誠に申し訳ございません」と謝罪した。

改ざんを行っていたのは、免震装置を製造する油圧機器メーカーのKYB。

KYBでは、オイルダンパーの性能検査を行う際、揺れを抑える能力が、国の基準を満たさないまま、数値を改ざんし、納品していた。

改ざんを行った検査担当者らは、「再調整のために装置を分解する手間がかかるため」などと説明しているという。

改ざんが行われた装置が設置されている建物は、疑いも含めると、全国で986件にのぼる。

その中には、各地のランドマークも。

東京スカイツリー、高さ634メートルあるということだが、このタワーの揺れを抑えるために、KYBの装置が225基使われているという。

不正が行われていた可能性の高い2012年にKYBの子会社を取材した映像。

関係者
「これが、スカイツリーのダンパーと同じ性能を持つオイルダンパーですね。地震が来ても、震度7でも大丈夫というような」
「わが子のようなものですよね。誇りですよね。あんな有名なところに自分が作ったものがつくのは」

スカイツリーの運営会社は、「これまでの定期点検では異常は確認されておらず、施工会社を通じ不適切なものかを確認中」としている。

17日、スカイツリーを訪れていた人は、「上がった時に(地震が)あったらどうしようとか」、「(それを)考えたらのぼれないけど」などと話していた。

KYBの公表資料によると、六本木ヒルズに356基、虎ノ門ヒルズに516基、東京駅にも158基の装置が使用されている。

さらに、大阪では、街のシンボル「通天閣」で。

愛知・名古屋市では、駅前に立つ47階建ての「ミッドランドスクエア」にも、改善の疑いのある製品が使用されている。

そのほかにも、愛知・大府市のあいち小児保健医療総合センターの救急棟や、埼玉県立がんセンターなどの医療施設や東京都庁、神奈川県庁、愛知県庁、大阪府庁など、災害時に拠点となる行政の庁舎にも使用されていることが明らかになった。

大阪府の松井知事は、「利益最優先の中で、そういうデータを改ざんしてしまおうという、そういう雰囲気があることが、僕は非常に怖いなとは思いますね。命に関わるということを認識いただきたいと思っています」と述べた。

さらに今回、免震用ダンパーの改ざんで最も多かったのが、マンションなどの住居。

今回、全国265件の住居で、不正の疑いのある装置が使われていることが判明しているが、KYBは、具体的な建物名は公表していない。

17日午後の都内、マンションに住む人からは、「公表してほしいですね」、「データ改ざんされたら、買った方としては、もしものことが起こった時に、どうしてくれるのって話になっちゃう」などの声が聞かれた。

KYBは、不正な装置が使われた建物が、震度7程度の地震で倒壊するおそれはないが、想定よりも揺れが大きくなるおそれがあるとしている。

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