米中貿易戦争の裏で“日中接近”まもなく習主席と会談

10/26 18:25
日本の首相として、7年ぶりに中国を公式訪問している安倍首相。

歓迎式典に出席し、中国の李克強首相と、2度、固い握手を交わした。

その後、行われた首脳会談の冒頭では。
安倍首相「競争から協調へ。日中関係を新たな時代へと押し上げていきたい」

李克強首相「特にわれわれの経済貿易協力に関しては、新たな段階に押し上げていきたい」

日中双方ともに、協力をアピールした。

トランプ大統領は「わたしは、習近平主席は大好きだ。しかし、彼はもう友達ではなくなるかもしれない」と述べていた。

アメリカとの貿易戦争が激化する中、中国には日本との関係を改善し、経済面での協力を強化したい意向があるとみられている。

さらに、日中の急接近は、こんなところにも。
中国の都市部を走るたくさんの車。

よく見ると、車体の後部には「EV」のロゴが。
そう、電気自動車。

ショッピングセンターの前など、いたるところに設置された充電ステーション。

実は、中国は、急速充電器の設置数が世界全体のおよそ9割を占めるEV先進国。

日本と中国の業界団体は、2018年8月、急速充電器を共同で開発し次世代の規格を統一することで合意した。

日本に急接近する中国。
その思惑について、三井物産戦略研究所・小泉芳雄次長は、「アメリカとの関係が、かなりギクシャクしている中で、日本に対する意識、かなり環境が変わってきた。“アメリカの代替”として、技術移転などを中心としたパートナーとしての位置づけが高まっている」と話した。

こうした関係を象徴するように、今回の訪中では、日中の企業関係者など、およそ1,000人が参加した経済フォーラムがメインイベントとして開かれた。

そこでも、世耕経産相が経済協力に言及。

世耕経産相は、「このフォーラムは、日中経済協力の新たなスタートとなるもの」と述べた。

この第3国市場協力フォーラムでは、日中が東南アジアなど第3国でインフラ投資などを共同で行うため、50以上の覚書を交わした。

中国は、今回の協力により、習近平国家主席が提唱する巨大経済圏構想「一帯一路」に日本を引き込む狙いがあるとみられる。

一帯一路とは、中国からヨーロッパまでの陸路は鉄道で、海は東南アジアからインド、アフリカまでを海路で結び、海と陸の2本のシルクロードを作る壮大な構想。

その重要拠点の1つ、西安には、一帯一路の重要拠点として、内陸の港という一大拠点が設けられている。

内陸部にもかかわらず、まるで港のようにずらりと並んだ大量のコンテナ。

ここは、中国とヨーロッパを結ぶ貨物鉄道「長安号」の発着地点となっている。

鉄道運営会社の担当者は「トヨタ・ホンダ・日産など、日本の自動車メーカーも、多くの部品やアクセサリーをヨーロッパに輸出している」と話した。

一帯一路の鉄道輸送を活用したビジネスには、日本企業も熱い視線を送っているが、日本の政府関係者は警戒を完全に解いてはいない。

日本政府関係者「日本政府は、中国の提唱する『一帯一路』には賛同しない」

このため、日本政府はあえて、一帯一路という表現は使わず、わざわざ「第3国市場協力」と言い換えている。

その背景には、日中の急速な接近が、トランプ大統領を刺激したり、中国による資金援助によって、アジア・アフリカ諸国が借金漬けになるリスクが指摘されている。

まもなく、習近平国家主席と会談する安倍首相。

この機会に、日本の立場を守りながら、日中関係の改善を、さらに推し進めることができるかが課題。

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