「自国第一主義」逆風に勝てず “欧州の女王”党首退任へ

10/30 19:42
「欧州の女王」の異名を持つ、ドイツのメルケル首相。
その電撃発表が、ヨーロッパを大きく揺るがしている。

それが29日の「12月の党首選には出馬しない」という発言。

12月に行われる、与党「キリスト教民主同盟」の党首選挙に立候補せず、党首を退く考えを明らかにした。

メルケル氏は、キリスト教民主同盟の党首として、2005年、歴代最年少となる51歳の若さでドイツ史上初の女性首相に就任。

これまで、13年間にわたる長期政権を率いてきた。

なぜ今、党首退任に追い込まれたのかというと。

工学院大学 政治学の小野一教授は、「大量の難民がやってくるということで、ドイツ国民の間で不満が高まったのは事実」と話した。

メルケル離れの背景にあったのは、難民問題。

2015年、メルケル氏は、シリアなどから大量に押し寄せる難民の受け入れを決定。

これにより、1年間に100万人以上がドイツに入国すると、難民受け入れに対する反発ムードが拡大していった。

10月14日と28日に相次いで行われた地方議会選挙では、新興右派政党の台頭などにより、与党が歴史的惨敗。
メルケル氏の責任を問う声が強まる結果となった。

この逆風の中で、党首退任の意向を示したメルケル氏。

首相としては、2021年の任期満了まで続投する考えだが、求心力の低下は避けられない。

EU(ヨーロッパ連合)の団結を重視し、1つの課題に複数の国で対処する多国間主義を掲げてきたメルケル氏。

その姿勢と対照的なのが、「自国第一主義」を掲げるアメリカのトランプ大統領。

現在、中米・ホンジュラスなどから北上し、アメリカを目指している数千人の移民。

トランプ政権は、その入国を阻止するために、メキシコとの国境におよそ5,200人の兵士を派遣し、軍用ヘリなども投入すると発表した。

来週の中間選挙を前に、争点となっている移民問題への厳しい取り組みをアピールする狙いがある。

工学院大学 政治学の小野一教授は、「つい最近では、ブラジルの大統領選挙でボルソナロ氏が『ブラジルのトランプ』ともいわれた方が出てきたということで、世界的に自国第一主義を印象づける出来事は加速していると思う」と話した。

ヨーロッパが今後、どこへ向かうのか。
その行方は、極めて不透明と言わざるを得ない。

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