「光」に寄せた両陛下の思い 平成最後の「歌会始の儀」

01/16 18:13
新春恒例の宮中行事「歌会始の儀」が、皇居・宮殿で行われた。

皇居・宮殿、松の間に入られる天皇皇后両陛下と皇族方。
行われたのは、平成最後となる新春恒例の「歌会始の儀」。

歌会始とは、日本の伝統文化「短歌」に親しむ宮中行事で、両陛下や皇族方が詠まれた歌のほか、一般入選者の作品が独特の節回しで披露された。

2019年のお題は「光」。

陛下は、被災地に寄り添う思いを歌にされた。
「贈られし ひまはりの種は生え揃ひ 葉を広げゆく初夏の光に」。

2005年1月、阪神・淡路大震災から10年の追悼式典で、両陛下は、震災により小学6年で命を落とした犠牲者の1人、加藤はるかさんの自宅跡に咲いたヒマワリの種を贈られた。

両陛下は、この種を御所の庭にまき、毎年、大切に育てられている。

これまでも、被災地への思いを歌に込められてきた両陛下。

東日本大震災翌年の歌会始で陛下は、「津波来(こ)し 時の岸辺は如何なりしと 見下ろす海は 青く静まる」と、震災の2カ月後、津波で大きな被害を受けた岩手県の海岸沿いを上空から目にした際の印象を詠まれた。

また、皇后さまも以前、阪神・淡路大震災からの復興への思いを歌に。
「笑み交(か)はし やがて涙のわきいづる 復興なりし 街を行きつつ」。

16日の歌会始で皇后さまが詠まれたのは、御所に咲くバラ。
「今しばし 生きなむと思ふ寂光に 園(その)の薔薇(さうび)のみな美しく」。

年を重ねる中で感じた不安が庭に咲くバラによって和らぎ、残された日々を大切に生きていこうと思った静かな喜びを詠まれた。

一方、平成最後となる今回の歌会始で一般から応募された歌は、2万1,971首。

そのうち、両陛下を前に歌が詠まれる入選作は、わずか10首。

高知市在住の奥宮武男さん(89)は、今回の最年長入選者。

奥宮武男さんは、「(入選歌の出来栄えは?)自分でもなかなかいい歌ができたもんだなと思って」と話した。

奥宮さんは、元調理師。
20歳のころ、父親の影響で短歌を始め、入選を目指して、50回近く応募してきたという。

奥宮武男さんは、「よく間に合ったと思う。今の天皇陛下の御代で」と話した。

そして16日、奥宮さんの作品が両陛下の前で披露された。
「土佐の海 ぐいぐい撓(しな)ふ竿跳ねて そらに一本釣りの 鰹が光る」。

奥宮さんは、一本釣りしたカツオが舞い上がった瞬間の日の光の輝きを詠んだという。

奥宮さんは、「天皇陛下も皇后さまもいいお歌ですねと言ってくれました」と話した。

4月末に退位される陛下。
歌会始への両陛下の出席は今回が最後で、2020年のお題は、5月の皇太子さまの即位後に発表される。

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